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◎全体的なこと
物語:他シリーズと比べたらストーリーに一本筋が通っていて、それに沿っているのが分かりやすくて見やすかったです。キャラがどういう意思を持って行動を選択しているのかが非常に明確。ハノイの騎士編~イグニス編~Aiの反乱編まですべてが矛盾点少なくつながっていました。武上・吉田・前川・広田と信頼のおける脚本家ばかりでしたね。尺が足りなかったのか?と思うことについては何点かありました。といっても歴代と比べても20数話程度しか変わらないので、想定内なんだろうな。自分ならこの20数話をなにに当てたかと考えたら迷わずAi編でのハノイの三騎士とスペクターのデュエルに割くと思います。でもこれ4話で蹴りつきますね?ということは20話程度の寄り道ができた可能性が微レ存。そして総集編が多いのはつらい……と前置きが長くなったところで、なにが尺足りないと感じた要因だったのかと申しますと、①日常回がない②キャラの掘り下げが浅いの2点です。これが私の中ではかなり重要視されています。①②があることでキャラの心情や境遇に共感したり、世界観に没入することができると思っています。ストーリーもキャラの行動原理も一貫されているんですけど、その行動原理に至る意思はどこから生まれたのか?が時々おざなりに描かれていて、「どうしてそうなった」と感じる部分がありました。出来がいいからちょっとの粗が目立つみたいな感じですね。①に関してですが、これは遊作=PlaymakerであることをAi編に入るまで頑なに外部に情報を漏らせなかったことに起因していると思います。VR空間上で目的が一致して一緒に行動している人間たちの集いを見てて仲間とは思えなかったんですけど。それはビジネスパートナーでしょ。SOLテクノロジーがPlaymakerを指名手配したことでSOLについてるブルエンとゴーストガール、鬼塚さんに正体明かせなかった時点で詰んでる。クイーンに告げ口さえしなければ財前兄妹とエマくらいには明かしてても大丈夫だったのでは。いやでも難しいな。こいつらにハノイ側ほどのモラルがあるとは思えない。社畜だし。②に関しては下記で細かい点に触れます。
音楽:光宗さんの音楽がいい。終盤になるにつれグサグサ刺さりました。蓑部派でもこれは落ちる。(改めて調べたら光宗さんが音楽手掛けたアニメに好きな作品が多かった)サントラ買っておいているのでこれから全部聞きます。
そして作画がよい意味で安定している……GXも安定してたのはしてたんですが、あれはクオリティが作画:低い方で安定していたので……私はPark Chi Manの描く遊城十代が世界で一番好きですけどね。VRAINSの話に戻るとNohさんの作画レベル半端なかったです。GXの頃からうまかったけど、正直何度か横田作監回かと疑う程度には美しかったです。横田氏イグニス編からほぼ作監してないからNohさんいてくれて本当によかった~。
デュエル:最初リンク召喚の演出が冗長だったことがテンポを悪くしていたので不安でしたが、すぐに改善されましたね。Go鬼塚さん(豪鬼デッキ)のまっすぐなデュエルとスペクターのカウンセリングデュエルが大好きです。イグニス編からリンク召喚以外の召喚方法も使われているのが楽しかったですね。あと、スタンダードデュエルが増えたことも見やすかったです。Playmakerから「オーバーレイネットワークを構築!」って台詞聞けたときは沸き立っちゃいました。あれ、ペンデュラムくん……?でもモンスターデザインは個人的にあまり刺さりませんでした。ドラゴン系がなんかみんなデブで……特にヴァレルロード。まぁ装甲がある分仕方ないのかなとは思います。サイバースのドラゴンはわりとスマートで好きでした。あとはデッキコンセプトとしては聖天樹とトリックスターと天装騎兵が好きです。なんでこんなに未OCGカードが多いんですか!?←最近カード買っていないくせに文句だけ言うクソオタク
◎遊作/Playmaker
損な性格してんな……というのが率直な印象です。あと頑固。理由は3つある!で3つ目に理由じゃなくて結論を持ってくるの気になりすぎるから正直やめてほしかったです。どうしても主人公とパートナーの関係って、遊戯と闇遊戯とか、遊馬とアストラルとかを想起してしまうので、遊作とAiがまったくよきパートナーに見えなかったです。遊作がAiを必要としている場面が著しく少ない。個々のキャラとしては好きですが、この二人じゃなきゃ駄目だったと感じるシーンはなかったです。草薙さんとは絆が感じられました。草薙さんともビジネスパートナー感が強くてなんともですけど。
◎Ai
暗い展開が続くVRAINSの中でも底抜けに明るくひょうきんに存在していてくれたので好きです。彼のおかげで陰陽のバランスがとれていたかなと思います。正直AIとは思えないほど学習が反映されていないのでモヤモヤしていたんですけど、最終話付近での言動を見るあたり意図して馬鹿に振る舞って遊作の成長を促していたのかな?とも感じました。イグニスの中でも自分勝手で自由奔放な振る舞いをしていたにも関わらず、存外仲間思いなところが意外なキャラでした。自分さえよければそれでよしな性格だと思っていたので。人を愛する気持ちは遊作より強くなったんじゃないでしょうか。
◎鴻上了見/リボルバー
作中で最も不憫な人。Soulburnerが一番のBADENDを回避したおかげで少なからず残りの人生を牢獄で孤独に過ごすことにならずよかったなと。ただSoulburnerはHAPPYENDではなく別のBADENDを提案しただけなので、最良ではないです。しかし彼がやってきたことの償いはしなければならないので、HAPPYでは終われない。にしたって償いが重すぎる。ハノイの騎士が一枚岩だったのは了見のカリスマ性、筋が通った性格のおかげだろうなと思います。
◎穂村尊/Soulburner
ぶっちゃけ嫌いです。上記リボルバーへの扱いといい、自分の感情だけで動くところとか。前述した②に関わることですが、闇より出でし絶望の克服に関して不霊夢の「転生しろ!」で乗り越えられました!ってマジで意味がわからなすぎ。ロスト事件で植え付けられたトラウマはその程度で克服できるものだったんですか?ロボッピと関わりがなかったのにSoulburnerにトドメをさす役目だったのも理解不能。掘り下げが浅い割に出しゃばってくるので不快感が強かったです。
◎財前葵/ブルーエンジェル/ブルーガール/ブルーメイデン
作中で一番年相応な子でした。自分の都合で他人に迷惑もかけるし、でもその先で自分のしたいことやなりたい姿を見つけていく成長する姿がよかったです。なにより可愛い。ブルーガール以降のデザインはクソダサいけど。マリンセスになってから明らかに弱体化しましたよね?これ以上のデッキはないとか言ってたけど。ぽっと出の旧友のために命張って頑張る!のも展開として納得いきませんでした。そもそもブルーエンジェルの由来も絵本って……?もう少し遊作との絡みが見たかったですね。握手したところでドキドキしてしまった。
◎鬼塚豪/Go鬼塚
鬼塚さんのデュエルが一番好きです。豪鬼デッキは興味ないけどプレイスタイルが抜群。そしてそれをほぼ全員から認められているところも好感度大です。賞金稼ぎになるまではよかったんですけど、その後の展開がつらくて泣きました。立ち直り方もなんか……こんだけ話数かけておいて?って思うくらいにはAi編でけろっとしているし。カウンセリングもないデュエルで、負けただけでよく立ち直れたなと。Playmakerからも対して触れられないし。Playmakerが鬼塚さんをデュエリストとして認めていて、鬼塚さんのことを思って行動しているような関係性が好きだったのにな。Ai編でもとの鬼塚さんに戻っているところを見れたのは安心しました。
◎別所エマ/ゴーストガール
作中一番いいように使われている苦労人。仕事でトレジャーハンターしてるのに見返りがあまりにも少なくないですか?そりゃお義兄ちゃんから苦言呈されますよ。イグニス編からはブルーガールのお守りまでさせられるし。ほんとお疲れさまです。でも女性どうしでチームを組んでどうこうっていうつながりは過去作でなかったので、新鮮ですごく華やかで好きでした。最初財前兄といい感じになる人かなと思ってたんですけど結局義兄ENDになりましたね。なんだかんだ父親はやっぱりクソだと思うけど、義兄義母実母とうまい関係を築きながら幸せになってほしい女性です。
◎財前晃
最終的にCEOまで出世して、頑張れば評価が認められることを見せつけた社畜の希望の星。しかも可愛い義妹までいる勝ち組です。本当にありがとうございました。良心と社畜精神で揺れ動いてるところ、社会人なら共感を買うキャラだったのではないでしょうか。可愛い義妹がいる点で反感買ってプラマイゼロむしろマイナスですね。エマENDがなくなったので団子鼻ENDになるんですかね?
◎スペクター
一流カウンセラー。心理戦を得意とするところが小悪党っぽくて最高に好きです。私としては本編中でデュエルボードに乗らないところと、ミラーリンクヴレインズで受け身を取れず地面に叩きつけられてる場面から運動音痴説を推します。人にカウンセリングするわりに自身も闇と特殊性癖(違う)もってるところがいいです。デュエル回数は少ないけど見せ場のあるキャラでした。なんで現実世界とまったく同じアバターなんですか?
◎ハノイの三騎士
正直一発屋だと思っていてすみません。イグニス編以降もしっかり活躍してくれましたね。縁の下の力持ち的ポジションでした。ハノイの騎士の団結力と志を同じくする姿勢には脱帽です。けっこうドクター・ゲノムが好きなんですよね。
◎草薙翔一
ホットドッグだけで生計立てられるほど稼げているんでしょうか?甚だ疑問です。草薙仁自体についての掘り下げはほぼほぼなかったのが残念です。unnamedって呼びづらいですね。
◎道順健碁/ブラッドシェパード
この人もこじらせてるな……って感じです。マザコンでシスコン。ついでにファザコンでしょ。義妹に対して愛憎いだきながらも体を張って助けたりしてて感情の迷子。悪役じゃないのに悪役以上にこすい手を使ってくるところ、潔いです。
◎不霊夢
冷静な中に仲間への思いやりと正義感をもつ熱血漢でイグニスの中でも好きな人でした。Soulburnerとはよいパートナー関係を築けていたと感じます。この二人は他と比べてバランスがよいですね。
◎アクア
なぜこの人だけ嘘と本当を見分けることができる能力をもっていたんでしょうか。他のイグニスには特性がないのに。
◎アース
クイーンに解体されたシーンで私は泣きました。勘弁してください。最後イグニスたちがボーマンに取り込まれるところでも泣きました。なぜ救えなかったのか。
◎ウィンディ
ライトニング一番の被害者は間違いなくウィンディ。彼のパートナーだけ明らかにされていないのは夢女への配慮ですか?違いますね。私は途中までブラッドシェパードがウィンディのパートナーだと思ってました。元々の性格のウィンディが見たかったです。
◎ライトニング
なかなか憎みきれないキャラでした。全部こいつのせいにされている感、清々しいまでの悪として描かれているところに、遊戯王らしからぬと陰謀を感じてしまいました。尺がないから全部こいつのせいにしようとしている?イグニスってロスト事件を通して性格が形成されていったものだと思うんですが(アクアの例を見るに)違うんですかね。
◎ボーマン
神がいるならボーマンのようであってほしい。ドン千より神感ある。(ドン千は神ではない!)ライトニングから作られたとは思えない出来上がり。遊作とのデュエル前までは自分が一人の人間として扱われること、人間に近づくことに重きをおいているように見えましたが、ラストデュエルの頃にはすっかり人間は統一しなければならない・個を尊重していられないという神の視点にたつようになってしまったのは(後のAiも同じ流れをたどったので致し方無いとはいえ)惜しいと思いました。彼には最後まで揺れ動いていてほしかったです。一方で、最後まで人間のよさを認めてもいたので、本当に人間は嫌いではない。でも愚か。という思考の神だったんだなと。
◎ハル
ボーマンとハルの関係性が好きだっただけに、もう少し掘り下げてほしかったキャラの関係性ナンバーワンです。ハルが自分にとって大切だったものはボーマンという仮初の兄との記憶。ここの兄弟として、または兄弟を演じる中でおきた衝突と幸福が描かれていればハルが消滅するときもっと入り込めたのになぁ。
◎パンドール
この人がすごく好きです。作中で一番意思を持つAIしている。一般的にイメージされがちなロボットのような喋り方とは裏腹にVS Aiのときに見せた同情や寒いセンスに対する反応などが人間味あってギャップにもっていかれました。あとそのときの音楽がすげーんだ……光宗氏……
◎ロボッピ
ロボッピ……ロボッピー!!!!がんばれがんばれローボッピー!!!!!あああああああああああああああああああああああ唯一の癒やしが……ああああああああああああああロボッピーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ